忘年会2016 カニ

これまであまり日本酒を飲まなかった方にとっては「純米大吟醸」と言われてもあまりピンとこない、もしくは「高級そう」くらいの印象しかないですよね。

「純米」はまだ想像出来るかもしれません。「米だけ」っていう意味っぽいです。でも「大」ってなんでしょう?「吟醸」はなんでしょう??

実は、これらはすべてお酒の材料や製造工程の違いによって名付けられるお酒の肩書きなんです。そしてこれが理解できると、その香りや味の傾向、さらにはそのお酒にかけられた作り手の苦労が、なんとな〜くわかるようになります!

このページでは、

  • 純米大吟醸のような肩書きを総称する「特定名称酒」について
  • 「吟醸酒」とは?
  • 「純米酒」とは?
  • 人気銘柄の純米大吟醸酒リスト

以上を順番に説明していきます!

特定名称酒とは?

「吟醸酒」「純米酒」のような肩書きが付いているお酒のことを、特定名称酒と言います。この名称、決して酒造会社が好き勝手つけていいわけではなく、酒税法という法律で決められた基準を満たしたお酒のみがこの名称を名乗れる事になっているのです。一方、特定名称の基準を満たしていないお酒は、法律上「普通酒」と呼ばれます。

この、特別な肩書き付きの「特定名称酒」には、次の8つの種類があります。

  • 純米大吟醸酒
  • 大吟醸酒
  • 純米吟醸酒
  • 吟醸酒
  • 特別純米酒
  • 特別本醸造酒
  • 本醸造酒
  • 純米酒

この8つの名称のうち、4つには「吟醸」というワードが、同じく4つには「純米」というワードが入っています。まずはそれぞれが意味することについて、見ていきましょう。

吟醸酒とは?

「吟醸」の称号を得るためには、次の2つの基準をクリアしなければなりません。

  1. 精米歩合が60%以下であること
  2. 「吟醸造り」という製法で作られていること

精米歩合が60%以下というのは、お米の表面を40%以上削るということ。『日本酒の作り方!全11工程でお米からお酒までを逆再生!』でも説明しましたが、お米は中心の方にでんぷん質が集中していて、周りは雑味になりやすい成分でできています。したがって、削れば削るほど(バランスも大事ですが)雑味の少ない綺麗なお酒になるのです。

削ると美味しくなる一方、削るのには手間がかかります。お米を77%削った、精米歩合23%のお酒『獺祭 磨き二割三分』を販売する旭酒造公式ウェブサイトによると、25%まで磨いたお米から、さらに最後の2%を磨くために、24時間もかかったのだそうです。削れば削るほどに、難易度も上がっていくのですね。

そしてふたつ目の条件である「吟醸造り」とは、たくさん磨いた(削った)お米を低い温度で時間をかけて発酵させる作り方のことを言います。

このように手間のかかるお酒であるため、精米歩合が低い吟醸酒は値段が高くなります。しかし、その「吟醸香」と呼ばれる香りは華やかで、まるでバナナやリンゴのように感じられるので、ファンが多いのです。

ちなみに、吟醸香について非常に詳しくまとめられているページ『日本酒のアル添あれこれ 〜人はなぜアル添を嫌うのか?蔵はなぜアル添するのか?』を見つけましたので、ご紹介します。吟醸酒へのアルコール添加の話が面白かったです!

”大”吟醸とは?

「純米大吟醸」のように、「大」の付く吟醸酒もあります。これは、吟醸に使うお米をさらに磨いたものということです。

前述の通り、吟醸酒になるためには40%お米を磨き、精米歩合60%にしなくてはなりません。しかし大吟醸ではさらに10%磨き、精米歩合50%にしなくてはならないのです。お米の半分も削ってしまうって、かなり贅沢!

ちなみに8つの特定名称酒は、全て精米歩合70%以下のものであるため、覚え方としては、

  • お米を30%磨く(精米歩合70%)と「特定名称酒」の称号がもらえる
  • お米を40%磨く(精米歩合60%)と「吟醸酒」の称号がもらえる
  • お米を50%磨く(精米歩合50%)と「大吟醸酒」の称号がもらえる

こんな感じに覚えるのがいいかなと思います!

なお、吟醸が頭に付くお酒は基本的に香りの強いお酒ですので、一般的には熱燗にはしません。香りが飛んでしまいますし、冷たくても香りが楽しめるからです。ただし、これも好き好きありますので、機会があればおためしください。

純米酒とは?

特定名称酒として「純米」の表記があるお酒には、お米と米こうじしか含まれていません。言い換えれば、製造の過程でアルコールが添加されていない日本酒のことを純米系と表現します。

一方、特定名称酒の中で純米の表記がない「大吟醸酒」「吟醸酒」「本醸造酒」には、醸造アルコールというものが添加されています。

このように聞くと、醸造アルコールが入っていない純米系の方が良いお酒のように思えますが、実は必ずしもそうというわけではありません。醸造の過程でアルコールを加える行為は、現在では必ずしもお酒を伸ばす役割を担っているわけではなく、その方が辛めでスッキリとした味になったり、お酒を腐りにくくする作用があったりするのです。

日本酒は「純米系こそが本来の味だ」という意見もあるようですが、味覚は人それぞれですので飲み比べてみてください。

ちなみに、純米系のお酒はお米の味が凝縮されていると考えることもできるでしょう。ラベルに記載された「山田錦」とか「五百万石」とか、そういったお米の味そのものを楽しんでみたい方は、純米系にトライされるといいですね!

本醸造酒とは?

「吟醸」「大吟醸」「純米」の意味を見てきたので、8つの特定名称酒のほとんどの意味がこれでわかるようになったかと思います。例えば「純米」条件をクリアした「大吟醸」なら「純米大吟醸」だし、「吟醸」だけをクリアしているなら「吟醸酒」と呼ばれることになります。

そして、まだ説明していない「特別本醸造酒」「本醸造酒」ですが、これらはいずれも醸造用アルコールというものを添加した日本酒を表現するものです。ただし、普通種と違うのは、添加する醸造用アルコールの量が、白米の総重量の10%未満までに抑えなければならないと定められている点です。

つまり、アルコールは添加しているけれど「普通酒」と呼ばれるものよりは添加量が少ないものが「特別本醸造酒」「本醸造酒」なのです。

なお、「特別本醸造酒」と「本醸造酒」の違いは、前者は精米歩合が60%以下のもの。後者は精米歩合が70%以下のものであるということです。

8つの特定名称酒をおさらい

それでは改めて、8つの特定名称種をおさらいしましょう。なお、このリストは上から順番に精米歩合の低いものを並べ、同率の場合は「純米」がつくものを先に並べています。つまり、一般的に手間のかかる順に並べました。

  • 純米大吟醸酒
  • 原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が50%以下 / 吟醸造り
    華やかな香り / お米本来の味わい

  • 大吟醸酒
  • アルコール添加有 / 精米歩合が50%以下 / 吟醸造り
    華やかな香り / すっきりした味わい

  • 純米吟醸酒
  • 原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造り
    華やかな香り / お米本来の味わい

  • 吟醸酒
  • アルコール添加有 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造り
    華やかな香り / すっきりした味わい

  • 特別純米酒
  • 原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造りではない
    香味は良好 / お米本来の味わい

  • 特別本醸造酒
  • アルコール添加有 / 精米歩合が60%以下 / 吟醸造りではない
    香味・色沢ともに良好

  • 本醸造酒
  • アルコール添加有 / 精米歩合が70%以下 / 吟醸造りではない
    香味・色沢ともに良好

  • 純米酒
  • 原材料にお米と水のみを使用 / 精米歩合に指定なし / 吟醸造りではない
    香味は良好 / お米本来の味わい

人気銘柄の純米大吟醸酒一覧

最後に、人気銘柄『久保田』『獺祭』『風の森』の純米大吟醸酒をご紹介します。久保田は昔からの人気酒、獺祭はプレミア価格が付くほどの人気ながら、手に入れられないわけではないというお酒、風の森は高い質の割に値段がお求めやすいということで、それぞれから1つずつをチョイスです!

久保田 萬寿

新潟の銘酒『久保田』の最高級として名高い萬寿。こちらは麹米の五百万石を50%まで、掛け米の新潟県産米を33%まで磨いて作られた立派な純米大吟醸です(麹米と掛け米の説明は『日本酒の作り方!全11工程でお米からお酒までを逆再生!』にて書いています)

長いこと愛されており、また特別な日に飲みたいお酒としても未だ人気!

獺祭 三割九分

今の日本酒を引っ張る、日本酒好きでない人にも知る人の多いお酒『獺祭』の中から、ここでは『三割九分』をチョイス。最高級の『磨き その先へ』や、獺祭の名を広めた『二割三分』まではいきませんが、それでも精米歩合39%の山田錦を使用した純米大吟醸のお酒です。

より精米歩合の高い『二割三分』だと720㎖で8,100円することを考えると、『三割九分』の3,780円という半額くらいの定価は、自分用のちょっとした贅沢酒にぴったりな値付けだなあと私は感じています。それでも40%を切りますからね!

風の森 しぼり華 秋津穂

風の森は、いろいろチャレンジしてて面白い蔵だなあと思って、個人的に好きな蔵です。

このしぼり華シリーズの秋津穂では、酒造好適米の秋津穂を50%まで削って作られています。純米大吟醸ながら価格が720㎖で2,000円を切るというのが嬉しい。評判もいいですし、ぜひ試してみたい1本です!

参考:
Amazon.co.jp: 日本酒の新しい選び方 きき酒師が教える日本酒100円ガイドブックシリーズ eBook: 日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会: Kindleストア
吟醸造りとは / 日本酒net
Q&A 日本酒について|お客様相談室|月桂冠 ホームページ
久保田 萬寿 | 久保田 | 朝日酒造株式会社
獺祭の蔵元|旭酒造株式会社

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