どんな商品でもそうですけど、ランキングっていうのは非常にわかりやすいですよね。ランキングベスト10位!とか言われると、なんか試してみたくなってしまうのは、僕だけじゃないはずです。今日もはじめて行ったポケ丼のお店で、どの具材を選んだら良いかわからなかったので、店員さんに「一番人気のやつ!」ってお願いしちゃいました(初っ端から話が脱線してすいません笑)

とにかくランキングってわかりやすい。ランキングを決めるコンテストというイベントも、非常に注目を集めます。

日本酒も例外ではありません。日本酒好きは、毎年「お、ここのお酒が今年は受賞したか」「このお酒聞いたことないな〜。本当に旨いのか〜?」なんていう見方で日本酒のコンテストに注目しています。日本酒のことをよく知らない人としては、誰かに日本酒をあげるときなんかに「うーん、まあどうせならランキング上位の日本酒を贈るか」というような感じで参考にしたりします。

何を隠そう、当サイト『うまさけ』の『美味しい日本酒の注目度ランキング2017!全100銘柄をリストにしてみました!【最新版】』というページも、大人気のコンテンツになっています。

日本酒のコンテストって、意外と沢山あるの知ってる?

ところで、日本酒のランキングを決めるためのコンテストって、結構沢山あるのをご存知ですか?

色んなコンテストが、今では日本だけでなく世界でも開催されているのです。結構、受賞酒が決まるたびにニュースになっています。

そこで今回は、日本を中心に世界で開催されている日本酒コンテストを、7つご紹介します。それぞれ特徴的なテーマがあって面白いので、是非最後までご覧いただき、開催時期になったら注目してみてください!

全国新酒鑑評会

まずは、なんと言っても『全国新酒鑑評会』をご紹介しない訳にはいきません。初開催は明治44年。すでに開催は100回を超え、圧倒的に歴史のある日本酒コンテストです。

正直、本当は「コンテスト」と称すのは正しくないのかもしれません。

というのも、そもそもこの大会は独立行政法人酒類総合研究所が主催しています。この酒類総合研究所は、かつては醸造試験所という機関として国によって運営されていたほどのオフィシャルな団体。

そしてその団体が「新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的に」毎年開催しているのが『全国新酒鑑評会』なんです。

ランキングを付けることよりは、その結果として日本のお酒の質が全体的に上がるように指導をしていくところに主眼を置いているため、気軽に「コンテスト」と呼ぶべきかどうか迷うところではあります。

とはいえ、その意気込みで開催しているからこそ、順番(新酒鑑評会の場合は、エントリーされたお酒の中から金賞と入賞が選ばれます。)に信頼が置けるというのもまた事実。毎年5月の終わりに発表されますので、来年は是非注目してみてください!

開催時期:5月
審査員:酒類総合研究所の理事長及び理事、並びに清酒の品質審査能力に優れ、清酒製造技術に詳しい者
公式サイトhttp://www.nrib.go.jp/kan/kaninfo.htm

International Wine Challenge – Sake部門

元々はワインを評価するために34年前から開催されている『International Wine Challenge』ですが、その日本酒部門があります。

公式サイトにきちんとした情報が見つけられなかったのですが、バンクーバーで私がお付き合いさせていただいている、お酒のインポーターのThat’s Life Groumetさんのブログによると、2017年の大会でSake部門は11年目になるそうです。

Sake部門に関する公式情報が著しく少ないのですが、ワイン部門と同じだとすると、年に二度12月と5月に「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」のお酒が発表され、5月の会の終了1週間後には両大会でゴールドを獲得したお酒の中から更に素晴らしいお酒に贈られる「トロフィー賞」が発表されます。

開催時期:12月、5月
審査員:Simon Hofstra、Ken Ohashi MW、Takuya Kusuda、Ake Nordgren、Beau Timken 
公式サイトhttp://www.internationalwinechallenge.com/

全米日本酒歓評会

2001年からアメリカで開催されているのが『全米日本酒歓評会』です。2016年の大会では、会場はハワイで行われましたが、審査委員には酒類総合研究所の部門長や主任研究員を中心に日本人が過半数をつとめているので、「アメリカ人の感覚で選ばれた」コンテストとは言えません。

評価が高かった日本酒には「金賞」「銀賞」が与えられるほか、更にトップのお酒には「グランプリ」と「準グランプリ」が与えられます。

また、このコンテストの特徴として、大会後に開催される『Joy of Sake』というイベントにて出品酒が全て一般のお客さんに公開され、利き酒が行われるという点です。なおこの『Joy of Sake』は、ホノルル、ラスベガス、そして東京で開催されています。

開催時期:7月
審査員:日本と米国の10人の審査員
公式サイトhttp://www.sakeappraisal.org/jp/

SAKE COMPETITION

2012年から開催されている『SAKE COMPETITION』は、できるだけ多くの日本酒を一同に介し、同じ審査員によって比べることにこだわりをもって開催されている日本酒のコンペティションです。

また、公式サイトの情報を読む限り、食中酒として(ご飯と合わせて)美味しいお酒により主眼をおいて審査が実施されているようです。

各部門で最も評価の高かった10のお酒にGOLD賞が、各部門上位10%になったお酒にSILVER賞が授与されます。部門は7つあり、「純米大吟醸部門」「純米吟醸部門」「純米酒部門」「吟醸部門(大吟醸 含む)」「Super Premium部門」「発泡清酒部門」「ラベルデザイン部門」とあるそうです。

Super Premium部門というのは、720mlで小売価格が10,000円(外税)以上、1800mlで15,000円(外税)以上の清酒のみを対象とした部門。そして最後の二つ、発泡酒部門とラベルデザイン部門は、とてもユニークですね!

開催時期:6月
審査員:技術指導者、有識者、蔵元からなる、予審31名、決審37名の審査員
公式サイトhttps://sakecompetition.com/

ワイングラスでおいしい日本酒アワード

日本酒は、ワイングラスで飲むことで色や質感まで楽しむことが出来る!という理由で、ワイングラスによって新しく日本酒の魅力が広がると信じる専門家の方々に寄って審査される日本酒コンテストが『ワイングラスでおいしい日本酒アワード』です。

2月の終わりから3月のはじめに発表され、各部門から最高金賞と金賞が選ばれます。部門には「メイン部門」「スパークリングSAKE部門」そして「大吟醸酒部門」があります。2017年度の場合、最高金賞が各部門上位5%前後、金賞が25%前後の受賞実績みたいです。

若年層への日本酒啓蒙、日本酒と和食以外の食べ合わせの提案、そして海外での日本酒普及を活動の目的として掲げているようです。特に後半2つに、ワイングラスとの相性が現れていますね。

開催時期:2月〜3月
審査員:ワイングラスによって新しく日本酒の魅力が広がると信じる専門家(詳細は、公式サイトに全審査員が実名で記載されています。)
公式サイトhttp://www.finesakeawards.jp/index.html

KURA MASTER

『KURA MASTER』は、2017年からフランスで開催される事になった日本酒のコンテストです。フランスで開催され、フランス人が審査をし、フランス人に合う日本酒を選ぶのがこの大会の趣旨です。

純米部門、純米大吟醸部門のそれぞれで、プラチナ賞と金賞があります。また、プラチナ賞と金賞の中からプレジデント賞と特別審査員賞が選ばれます。ただしここで言う「純米」は精米歩合51%以上のお酒、「純米大吟醸」は精米歩合50%以下のお酒という区分になっているそうです。また、エントリーできるお酒は日本の蔵元で製造されたものに限られているそうです。

前述の通り、フランス人の審査員が審査をして、7月に発表されます。審査員にはフランスのワイン関係者、お酒関係者さん、レストランのソムリエなどが名を連ねているようです。

開催時期:7月
審査員:フランス人のお酒(ワイン)関係者、ソムリエなど
公式サイトhttp://kuramaster.com/ja/

全国燗酒コンテスト

『全国燗酒コンテスト』というのも開催されています。

その名の通り、燗酒のおいしいものを決める大会で、「お値打ちぬる燗部門(審査温度45℃)」と「お値打ち熱燗部門(審査温度55℃)」と「プレミアム燗酒部門(審査温度45℃)」「特殊燗酒部門(にごり酒・古酒・樽酒・極甘酒など)」というものがあるそうです。

ただこのコンテスト、あんまりオンラインに情報がなく、今のところあまり詳しいことがわかっておりません。詳しくわかればまた追記します。

開催時期:7月
審査員:30名(酒造技術者、酒類流通業者、酒類スクール講師など)
公式サイトhttp://www.sakebunka.co.jp/event/orgEvent/atsukan16/index.html

まとめ

日本酒だけでも、本当に色々なコンテストがありますね!それも、調べてみると結構それぞれのコンテストにちゃんと個性のあるコンセプトがあって、面白いなと思いました。海外でも沢山開催されているんですね。始まったばかりのKURA MASTERもこれから楽しみです。

どのコンテストも2月から7月くらいまでに固まっているのは、蔵が忙しくない時期に合わせているからなのだと思うのですが、秋〜冬の話題が少なくなってしまうことを考えると、もう少しその時期にもなにかあるといいなあとも思った次第です!

まあ、これで色んなコンテストがまとまったので、来年からその時期が来るのが楽しみです!

参考:
Report from London – IWC Sake Judging – That’s Life