2016年9月29日、『Vancouver Sake Fest ’16』という日本酒のテイスティング・ショウケースイベントが、カナダのバンクーバーにて開催されました!
僕個人的には、平日開催ということもあって学校を切り上げての参加だったため、あまり長い時間滞在することはできませんでしたが、簡単に現地の様子を取材してきましたので、ご紹介させてください!
Vancouver Sake Festって、どんなイベント?
さて、Vancouver Sake Festというのは、日本酒をバンクーバーの人にご紹介するイベントです。日本やカナダやアメリカから20以上の蔵やインポーターが一堂に介して、それぞれの自慢の日本酒を振る舞いました。
このイベント、実は今年始めて開催されたものなんです。
今年は、バンクーバーの日本総領事さんが新しく岡井さんという方に変わられたタイミングですし、「今後に期待できるイベントになると良いなあ」などと思いながら、会場を訪れてみました。
会場は、The Imperialというクラブイベントやライブなんかも行われるようなすごく素敵な場所。この会場で日本酒がどのように振る舞われるのかということに対しても、非常に非常に興味がありました。海外のクラブで日本酒イベントって、ちょっとかっこよすぎる!
なお参考までに、チケットはEarly Bird(早割)で40カナダドル(イベント開催日時点で3000円くらい)それを過ぎたら45カナダドルでした。
実は参加前の僕は正直「ちょっと高いなあ。でも色々と手間もかかるから仕方ないかな」なんて思っていました。
でも実際に参加してみると結構豪華で、お酒もテイスティングし放題だし、色んな人と交流できるし、フードペアリング用に提供されるおつまみ類も色々あって、このチケットの価格にはお得感すら感じました。
恐らくこの感じ方のギャップは、イベント内容と告知物(チケットやポスター)のデザインがマッチしていなかったから生じたように思います。イラストやフォントが、とても可愛すぎて・・・。このあたりがもっとマッチしていると事前期待も高まるし、$45のチケット代もお得に感じるはずです。
とはいえ今回が初回ですし、色々大変だったことも想像に難くないので、今後もっと良くなっていくことを期待しています!
※今回『うまさけ』編集部は、以前のSkype飲み会企画でお酒を提供してくださったアクシスプランニングさんよりご招待いただきこのイベントに参加することができました。ありがとうございます!
会場の様子
それでは会場の様子を写真とともに振り返ってみましょう!
入口付近のかっこいいバーカウンター。
大盛況の会場です。ここからの写真はビデオからのキャプチャなので、結構画質が落ちますがご了承ください。
沢山のインポーターがお酒を振る舞いつつ、日本酒の説明をしています。
見てください、この、ものすごい人の数!会場は、完全に満員になりました。
そしてよく見れば、参加されている方の殆どが日本人ではないことがお分かりいただけると思います。日系団体が開催するイベントに有りがちな、「現地在住日本人だけが参加するイベント」とは一線を画す参加者のデモグラフィーでした。
ドレスやスーツの方が多いことにもお気づきいただけるかと思います。なんとなく、イケてる感が漂いますよね(笑)
会場後方のカウンターでは、たこ焼きや串揚げも提供されました(恐らく、バンクーバーの日本食レストランさんの提供だったと思いますが、未確認です)
ひとブース2名くらいずつ、バンクーバー在住のインポーターだけでなく、日本から駆けつけた蔵元の方もお酒を振る舞い、英語や日本語で(?)お酒の魅力を紹介。
ステージで行われた何かの抽選の発表シーン。僕はイベントの最初に出席できなかったので、これがなんだったのかイマイチわかりませんでした(苦笑)
また、イベントを英語でレポートする動画も作りましたので、ご覧ください!
来場者の反応は良好!大切なのはこれからどう、この機会を活かしていくか!
写真(動画)を見ていただくとお分かりいただけるかと思うのですが、会場は超満員と言っていいほどの大盛況でした。一般コンシューマー向けの夜の部に訪れていたのは、300名ほどだったというお話も伺いました。
バンクーバーの人の日本酒への関心って、思った以上にものすごく高いんですね〜。いい意味でびっくりで嬉しいです!
ちなみにお昼には、同じ会場に業者さん(レストランやリカーストアのオーナー)を招待して説明会のようなイベントを開催していたそうですが、そこへの来場者数も事前予約段階で200名ほどだったそうです。実際の来場者数の変動は多少あるでしょうが、これ、結構凄い!バンクーバーで日本酒が飲めるお店が増えるかもしれません。
バンクーバーの地酒蔵YK3・春日井さんのお話
ここで、ブースで実際にお酒を振る舞っていたYK3春日井さんのお話をご紹介します。以前も『うまさけ』にてページを作りましたが、YK3さんは『Yu』というお酒をバンクーバーで造っている日本酒蔵さんです。
ちなみにYK3の春日井さんは、ご自身が蔵の杜氏でありながら営業もされていて、日々の醸造活動や時にはバンクーバーの離島まで営業に行く様子なんかをTwitter(@pashiri1gou)で発信されています。リアルでおもしろいので、興味がある方はフォローしてみてください。
日本酒『英勲』シリーズをインポートする、アクシスプランニングさんのお話
さらに、同じくお酒を振る舞っていたアクシスプランニングさんにもお話を伺ったので、ご紹介します!
うれしいことに、地元の方で、熱心にラベルの写真を撮りながらテイスティングする方が多くいらっしゃいました。「この写真を持ってリカーストアに買いに行きたい!」などと言って下さる方もいらっしゃいました。
すでに自分の好みのお酒の種類を把握している方、米の品種、精米の違いなどを聞いてくる方など、ある程度のお酒に触れ慣れている方も多く見られ、今後のBC州の酒マーケットの躍進に期待が高まりました。
また、ビジネスユーザーを招いて行われた午後のテイスティングイベントには、日本食レストランからお越しの日本人や中国系の方だけでなく、新しいレストランやバーから、そしてワインなどをメインに取り扱うプライベートリカーストアからお越しになり、熱心に各ブースでお酒のテイスティングをなさっている方もいらっしゃり、非常に手ごたえを感じました。
色んなお酒をテイスティングし放題!印象的だったお酒をご紹介します!
会場では、私たち『うまさけ』の編集部もたくさんテイスティングさせていただいたのですが、特に印象的だったお酒を3つご紹介します。
Fraser Valley Junmai Renaissance
以前ご紹介した、バンクーバーの日本酒蔵Artisan SakeMakerさんが醸すOSAKEシリーズのひとつ『Fraser Valley Junmai Renaissance』です。
今までに飲んだ事のない味わいでした。ブリティッシュコロンビア州で採れたお米をほとんど削らないまま、玄米のような状態で使用したお酒だそうです。そのため、パンチの効いたお米の味に仕上がり、癖になる味わいでした。
Gekkeikan Limited Edition Daiginjo
@Tonari_Gumi @SakeBC @puresake604 @thatslifewines Limited Edition Gekkeikan Daiginjo [2500 btls in total; only in JP] pic.twitter.com/p3myTBZkdp
— cvgate (@cvgate) 2014年10月5日
月桂冠”最高峰の日本酒”と紹介されていた『Gekkeikan Limited Edition Daiginjo』も印象的でした。通常の流通網には流れていない、プレミアのお酒だそうです。
まず、飲む前に漂う香ばしくてフルーティな香りが印象的。そして、スムースかつフルーティで白ワインのような味わい。流線型のボトルもお洒落でした。
英勲 一吟
齊藤酒造さんの英勲シリーズ『一吟』は、瑞々しいフルーティな味わいが印象的。飲んだ後にほんのり残る辛さが味を引き締める感じで、とてもGood!
今回のSakeFestで飲んだ中で、1番のお気に入りです。
まとめ
途中、春日井さんのお話としてご紹介しましたが、今回はまずきっかけづくりのイベントですので、ここでいきなりファンが増えるというわけでもないのでしょう。ここで参加者の方に知っていただいた美味しい日本酒を、今後も継続的に飲んでいただくためには、地味な努力がじわじわと効いてくるのでしょうね。
僕は全然、偉そうに言える立場ではないですが、今後のこちらでの日本酒関連活動が楽しみです。
とはいえあくまで今回のイベントで感じた僕の印象で言えば、非常にいい反応が多かった用に思います。僕に「どのお酒がおすすめなの?」と前のめりな質問をする参加者の方もいて、まずバンクーバーの人に日本酒を飲んでもらうきっかけづくりの場としては、これは大成功なんじゃないかと思いました。
いかがでしたか?本レポートを通じて、海外で行われている最新日本酒イベントの様子がうまく伝わると嬉しいです!
なおバンクーバーではこの後、10月29日に『隣組』が主催する『SPIRITS OF JAPAN』という日本酒関連イベントの開催が予定されています。Coast Coal Harbour Hotelにて行われ、チケットは$75と高めの設定ですが、今回のイベントにも参加したArtisan Sake Makerさん、CMC Sake + Wine Merchantsさん、Jizake Japanさん、Kanaya Shuzoutenさん、そしてAxis Planningさんが参加されるそうです。
詳細は公式サイトをご覧ください。
初めてのイベントとしての手応えは割と良かったのですが,次回に結びつけるためには『その後』の活動までアピールして、初めて『よかった!』と言えるのでしょうね。
会場での感動をどうやって今後に結びつけていくか?日本だといろいろな方法がありますが、こっち(バンクーバー)だと、これから消費者を育てていく、と言ったところです。