3月5日、暖かくなった愛知県の、豊橋にある福井酒造さんで、蔵開きが開催されるということを聞きつけて、往復4時間かけて行ってきました!
長旅した価値が、あったあった!行ってよかったです。
家から遠いことと、朝イチに実家の用事を済ませてから家を出たこともあって、蔵に到着したのは12時半。
蔵の前には、すでに酔っ払って寝てる人もいたりして、ちょっとしたカオス空間!
なんせ僕、今回が蔵開きイベント初体験なので、どれもこれもが面白い光景でした。「あーこういうもんか〜!」って。
せっかく蔵開きに来たんですから、いちばんのお目当ては蔵の見学です。
それで整理券をもらいに行くと、なんと残り3枚しか残っていないというではないですか。ギリギリセーフ、ラッキー!
13時45分開始の最終回(各回の定員20名ずつで複数回開催されました)になんとか席を確保しました。
とりあえず席を取ったので、次は利き酒コーナー。
と思ったら、なんと利き酒は終了したと言われてしまったので、仕方なくふるまい酒を頂いてウロウロしていると、これから酒樽に縄を締める実演をするというので、それをじっくり見学させてもらいました。
酒樽の縄を締める方法
「方法」とかいって、How Toでもなんでもありません(笑)
こうやって締めるんだ〜って、感動するだけしましたが、何が起きているのかわからないまま終了しました。
動画を撮影したので、早回しでごらんください。
#福井酒造 蔵開きイベントで見てきた、酒樽の縄を締める実演 [その1] pic.twitter.com/LdcBRh8kQe
— Umasake (@umasake_top) 2016年3月5日
#福井酒造 蔵開きイベントで見てきた、酒樽の縄を締める実演 [その2] pic.twitter.com/Y1QfveFmHP
— Umasake (@umasake_top) 2016年3月5日
#福井酒造 蔵開きイベントで見てきた、酒樽の縄を締める実演 [その3] pic.twitter.com/YWwIcmbgar
— Umasake (@umasake_top) 2016年3月5日
酒樽なので、当然樽の中には日本酒が入っているわけです。重労働を手際よくこなす蔵人さんは、非常にかっこよく見えます。
質問すると、いろいろとウンチクも教えていただきました。
例えば、酒樽に巻いた縄の端っこにビニールテープをぐるぐるっと巻いた場所があるのですが、それはそのお酒が、途中で誰かの手で開けられたりしていないかということをチェックする機能を果たすのだそうです。
そのビニールテープが剥がれ(破れて)ていれば、それは蔵から配送される途中で誰かが悪さをしたという証拠。
ビニールテープがなかった頃はどうしていたのか伺うと、「昔は和紙を利用していました。僕たちはビニールテープを利用しているので、この世界ではゆとり世代みたいなものなので(笑)」とおっしゃっていたのが面白かった(笑)
それから、あまりにも手際よく、素手で縄を扱われているので、痛くないんですか?と伺うと、今はビニールの縄だけど昔は本物の縄だったから硬くて、その分キツく閉まるけれど痛かったのだと教えてくれました。
そう謙遜されている蔵人さんでしたが、手のひらを見せていただくと、非常に分厚く、硬くなっていて、まるでプロ野球選手のようでした(ご存じない方が大勢だと思いますが、プロ野球選手ってバットをたくさん振るので、手が一般人の何倍も分厚く、硬くなるんです)
これぞ仕事人ですね(感動)
利き酒コーナー復活!飲め、飲むんだオレ!
そうこうしているうちに、利き酒コーナーが復活。3種類頂いて、比べてきましたよ!
これは『四海王 福』という銘柄の純米酒。国産の米を59%に精米し、日本酒度+1に仕上げたものです。「甘い」と誰かが言っていたのを聞いて試してみました。
確かに甘さを感じますが、どちらかというと後味にすっきり感を感じるタイプで、バランスの良い飲み易いお酒に感じました。料理に合わせて飲んでも美味しいでしょう。
こちらは『四海王 特別純米原酒 五百万石 23BY』です。富山県の五百万石を40%削って造った純米酒を、3年間低温熟成させたもの。
ラベルには「軽快な飲み口が特徴の」と書かれていましたが、さすがに3年間の熟成だけ有ってクセは強く、自分にはまだ早いと感じました。僕が熟成酒が美味しいと感じられるようになるのは、もうちょっと先のようです。
あるいは熱燗にしたり、マリアージュを楽しんだりするにはとても美味しいお酒なんだろうと思います。
これは利き酒とは関係ないんですけど、四海王の酒粕を使ったジェラート(350円)が、べらぼうに美味かったです。これは食べてよかった!
酒粕を使ったことによって、ジェラートに甘みとコクが増して、より美味しくいただけますね。甘味の甘さを引き立てるという意味で、似た考え方に「塩キャラメル」があり、僕はそれが大の苦手ですが、酒粕を加えたスイーツは、今日をきっかけに僕の中でブームになりそう。
蔵見学
そしていよいよ、待ちに待った蔵の見学です!日本の蔵見学は初めてなので静かに興奮!
福井酒造の会長さんが案内をしてくれます。
お米を洗う際に水を切るための遠心分離機や、酒母を作るために独自開発した機械(なんと1億以上する代物!)などを見せていただいたのち、山田錦で醸造中の大きい樽から香りを嗅がせていただきました。
これが最高に甘くて品の良い吟醸香です。ああ、これがいろいろ経て吟醸酒になるのかと。このお酒になりたての香りを、工夫された絞りや瓶詰でなるべく逃さないようにしながら、酒屋さんに運ばれ、僕たちが飲む。
ドラマを感じます!
こちらは、山田錦の麹米。
甘いんですねー!この時点で、こんなに甘いんだ。甘いと言っても、お菓子みたいな甘さではないんですね。旨みに通じる甘さ。両者は語源が同じだと言いますが、これを味わうとなるほど納得でした。
舌触りが甘く感じて、噛んでいるとさらに甘みが増してきます。貴重な、ありがたい体験でした。
これがタンク。でっかいのがいっぱい!でっかいのはいいことです、興奮します。
タンクが何本あって、今何が入っていてとか、その辺りを聞き逃しました(無念)
その代わり迫力の見上げ写真を撮ってきたので最後に貼り付けておきましょう。
まとめ
蔵見学を終えて出てくると、もうほとんどお開きになっていて、人がだいぶ減っていました。
最初に見た、酔っ払って寝ていた人は・・・まだいました。その後、仲間の方に抱えられて帰って行ったので大丈夫だったといいな。
初めての蔵開きは、大満足でした!4時間の移動や、往復の交通費、何より旅疲れ・・・そんなの吹っ飛ばすくらい、いろいろ勉強になりました。楽しかった。
今回の日本滞在中には、もうこういったイベントでの蔵見学は僕の滞在する地域では開催予定がないみたいなので、次に行けるのは次回帰国する1年後になってしまいますが、また必ず蔵開きに行こうと決意したのでした。