新潟は本当に美味しい日本酒が多いですね。久保田に越乃寒梅、上善如水、菊水というような、圧倒的に有名なお酒がたくさんありますし、それに続く〆張鶴や村祐、鶴齢といった日本酒もあります。
いずれも『美味しい日本酒の注目度ランキング』に毎年登場するお酒ばかりです。
そんな米どころかつ酒どころな新潟県の中でも、とりわけ知名度が高いのが『八海山』です。
このページでは、そんな銘酒である八海山について調査していきます。
八海山の歴史
まずは八海山の歴史に目を向けてみます。
八海山公式サイトによると、まず最初の酒蔵が作られたのが大正11年(1922年)の頃。当時その地域の地主だった南雲家がその地で日本酒作りを始めたそうですが、始めはうまくいかず、9年後には新しい蔵で再出発という道を歩んだのだとか。
そこから初代社長の浩一さん、次の社長の和雄さん、そして今の三代目社長である二郎さんに引き継がれてきました。
特に、昭和28年(1953年)の浩一さんから和雄さんへの引き継ぎ時は、まだあまり人気のない八海山ブランドを引き継ぎたい人間がいなくて苦労したそうです。約60年後の、現在の八海山の知名度からはなかなか想像できません。
公式サイトには、二代目の和雄さんと、和雄さんが社長に就任された頃から40年間にわたって杜氏を務めた高浜春男さんとの名コンビによって、八海山が有名なお酒になっていったというように書かれています。テクノロジーが発展した今以上に杜氏の役割が大きかった時代ですので、この高浜さんがいなければ今の八海山はないと言っても過言ではないのかもしれません。
酒造りへのこだわり
八海山は、”淡麗旨口”を理想形に作られているのだそうです。美味しいけれど、飲み飽きない日本酒です。
お米を70%の大きさまで削ったお酒で作った日本酒のことを「本醸造酒」と呼ぶこの世界において、八海山の本醸造酒は55%まで削ってしまいます。また、削る量に規定のない「普通酒」でさえ60%までに削ってしまうのだとか。
削れば削るほど、お米の芯だけを使うことになるため、雑味が減る代わりにコストがかかります。つまり八海山では比較的安価な「本醸造酒」や「普通酒」といった商品にでさえ、納得できるレベルになるまでコストをかけているということですね。
公式サイトによると、使用しているお米の多くは(もちろん商品によって割合が違うはずですが)新潟県産の五百万石というお米(お酒作りのために最適化されたお米)で、次に美山錦や山田錦を使っているのだそうです。
お米作りに重要な水は、八海山からの豊富な湧き水を利用しています。八海山に降り積もった雪が長い間時間をかけて溶けて湧いてくるお水は、きっとそれだけで美味しいに違いありません。
東京駅で買えるひょうたんボトルの八海山
個人的な八海山の想い出は、東京駅のはせがわ酒店グランスタ店で買ったひょうたん型のボトルに入った八海山を飲んだことです。
純米吟醸のこの八海山は、面白いひょうたん型のボトルにパックされていて、内容量が180mlのちょうど1合分。おそらくは出張帰りの新幹線なんかで飲んでもらえるようなコンセプトのひと品なんですが、僕はお土産として家に持ち帰って、夜ご飯を食べながらじっくり飲みました。
ネットの販売店では、冷から熱燗までいけるって書いてあるのですが、僕は冷やして飲みました。スッキリしていて料理の邪魔をしないお酒だったな〜と印象に残っています。
ちょうど、一緒に東京で購入したお土産の甘い日本酒を空けたばかりだったので、余計に八海山の辛さが引き立った部分もあるのでしょう。特別絶賛するような衝撃などもありませんでしたが、ご飯(確か手巻き寿司だった気がします)とよく合うお酒でした。
長いこと飲まれるお酒にはそれなりの理由があると感じたものです。
八海山の銘柄リスト
最後に、八海山の商品リストを公式サイトに掲載されている範囲でご紹介します。
- 普通酒 清酒 八海山
- 特別本醸造 八海山
- 吟醸 八海山
- 純米吟醸 八海山
- 大吟醸 八海山
- 純米大吟醸 八海山金剛心
- 八海山しぼりたて原酒 越後で候
- 純米吟醸 八海山しぼりたて原酒 越後で候
- 生詰 特別純米原酒 八海山
- 発泡にごり酒 八海山
- 八海山 貴醸酒
精米歩合60%(60%まで削ったお米)の日本酒です。コストパフォーマンスの高さが売りで、自分用のお酒に最適です。フルーティな香りと、それでいて甘すぎないさっぱりとした飲み口が特徴。
価格:1,004円(720ml)
精米歩合55%(55%まで削ったお米)の日本酒です。切れ味のいいお酒で、冷で飲んでも熱燗にしても美味しいとの評価です。
価格:1,242円(720ml)
精米歩合50%(50%まで削ったお米)の日本酒で、これ以上のランクが八海山では吟醸として販売されています。
価格:1,804円(720ml)
八海山の名を広めたお酒と言っても過言ではないのが、この純米吟醸です。コクのある美味しさで、お酒好きの人に送っても定番の品として喜ばれるといいます。以前は手に入れにくい時期もあったようですが、今はamazonでも購入可能です。値段は2015年12月時点で送料込みの4,000円前後。
価格:1,987円(720ml)
精米歩合40%(40%まで削ったお米)の日本酒です。大吟醸ですので、甘い香りも強く、高級感が漂います。贈り物としても高級な部類に差し掛かり、喜ばれるかと思います。
価格:4,579円(720ml)
数の非常に少ない、限定の純米大吟醸です。ブランド米・山田錦と、五百万石をブレンドして6月ごろと11月ごろの年2回のみ販売されています。ボトルデザインも完全に他とは異なるものです。
価格:11,880円(720ml)
冬季限定で販売される八海山の原酒であり、生酒です。原酒ゆえにアルコール度数は19%隣っています。10月から3月までの期間にしか入手できない、レアなお酒です。
価格:1,231円(720ml)
しぼりたて原酒の”純米吟醸”版です。より貴重なお酒で、12月にしか発売されません。アルコール度数は、無印のしぼりたて原酒よりは少し抑えめで、17.5%となっています。
価格:1,944円(720ml)
こちらは6月から8月の夏季にしか販売されない原酒の『生詰 特別純米原酒』です。精米歩合は55%となっており、あるレビューによると”フレッシュ”で”ふくよか”で”上品”な味わいなのだそう。
価格:記載なし
数量限定で販売されている八海山のスパークリングにごり酒です。甘いお酒だそうで、スパイシーな料理やスイーツとの相性が抜群なのだとか。
価格:記載なし
数量限定販売の貴醸酒。水を使わずに日本酒で仕込んだというのがこのお酒の特徴だそうで、とろっとしていて甘いお酒なのだそう。スイーツと一緒に飲めるだけでなく、スイーツに添えてみるという楽しみ方も、一部では推奨されていました。
価格:864円(300ml)