カナダはバンクーバーにある小さな島、グランビルアイランドにて、2007年から約10年間にわたって日本酒を作ってきた酒蔵、Artisan SakeMaker(アーティサン・サケメーカー / 意訳:酒造り職人)。彼らが作っている『Osake』という地酒について、このページではご紹介します。

Osakeの特徴と魅力

『Osake』は、カナダで初めて作られた純米生酒。日本の酒米で作られており、その果実のような香りや旨味を逃さないために濾過の処理がされないまま出荷されます。つまり生酒というわけです。

年に複数回にわたり、少量で作られるというのが『Osake』の特徴。それによって季節ごとの変化に対応し、西海岸のこの地区で春から夏にかけて採れるシーフードにも、秋から冬にかけて食べられる暖かい料理にも合うお酒を作ることができているのだとか。

カナダの日本酒蔵は、日本やアメリカからの輸入米に原材料を頼りがち。そんな中Artisan SakeMakerは、ブリティッシュコロンビア州(カナダのバンクーバーがある西海岸の州)で採れたお米でOsakeを作るために、2009年から調査を開始し、2013年には100% ブリティッシュコロンビア州で収穫されたお米で作られたOsakeが登場。これによって、すべてカナダで作られたカナダの地酒が誕生したのだそうです。

今ではボトルに「Made from 100% BC grown rice」と記載されています。

Osakeの各種銘柄

Osake01

2016年1月の時点で、Osakeシリーズには全部で8種類あります。特にベーシックな銘柄が次の6つ。

  • Osake Junmai Nama Genshu(純米生原酒)
  • Osake Junmai Nama(純米生)
  • Osake Junmai Nama Nigori(純米生にごり酒)
  • Osake Junmai Sparkling Sake(純米スパークリング)
  • Osake Junmai Ginjo Genshu(純米吟醸原酒)
  • Osake Junmai Ginjo Nigori Genshu(純米吟醸にごり原酒)

Osake Junmai Ginjo Genshu(純米吟醸原酒)

ひと通り自分でテイスティングをしてみて、やっぱり1番美味しいのは『Osake Junmai Ginjo Genshu(純米吟醸原酒)』でした。はじめのひと口目は、少し香ばしさを感じ、深い複雑な味に感じ、その後は口にするたびに甘みが増していく感じ。甘い後味が幸せで、カナダのお米を100%使ったお酒でも、丁寧に仕込むことでここまでの味になるのかと感動しました。

価格は375㎖で24.90 カナダドル(約2,200円)ほど。この価格、4合瓶や一升瓶の吟醸酒を2,000円とかで飲める日本人にしたら高いかもしれませんが、バンクーバーでは、このクオリティにしたらかなり良心的です。

Osake Junmai Ginjo Nigori Genshu(純米吟醸にごり原酒)

『Osake Junmai Ginjo Nigori Genshu(純米吟醸にごり原酒)』も美味しい。吟醸香は純米吟醸原酒に比べると控えめでしたが、それはボトルを空けた時期の問題かもしれません(テイスティングなので、いつ頃空けたものかどうかまではわかりませんので・・・)

価格はこちらも375㎖で24.90 カナダドル(約2,200円)ほど。

Osake Junmai Nama Genshu(純米生原酒)

『Osake Junmai Nama Genshu(純米生原酒)』はマイルドで少し深みのある味わいでした。原酒ゆえにアルコールが少し強く、後味にアルコール感がありますが、さらっとしている感じで食中酒として良さそうです。

価格は750㎖のワインボトルサイズで34.90 カナダドル(約3,000円)ほど。375㎖で21.90 カナダドル(約1,900円)ほどです。

Osake Junmai Sparkling Sake(純米スパークリング)

『Osake Junmai Sparkling Sake(純米スパークリング)』はボトルのデザインが可愛くて目立ちます。スパークリングゆえ、女性の方を主にターゲットにされているのかもしれません。味は甘くて飲みやすく、しかしすっきりした後味でさらりと飲めます。炭酸も、私が飲んだものはきつくなく、優しい飲み心地でした。

価格は500㎖で23.90 カナダドル(約2,000円)ほど。

バンクーバーダウンタウンからArtisan SakeMakerへ行く方法

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現地での試飲も楽しいのが、Artisan SakeMakerです。2016年現在、5カナダドル(約400円)で3種類の日本酒をテイスティングできます。テイスティングと言ってもおちょこ一杯くらいはワイングラスに注いでくれるので、かなりお得。

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バンクーバーのダウンタウンから行く際には、グランビル通りにバス停のある4番、7番、10番、14番、16番あたりのバスに10分ほど乗り、その後さらに10分ほど歩いてグランビルアイランド内に行きます。一度”島”は通り越してから、歩いて入島する感じです(島と言っても、陸地で歩いて入れるのです)

調査時点のバスルートのGoogle Mapリンクはこちらです。

もしバンクーバー国際空港から行く場合は、カナダラインのBroadway-City Hall Stationという駅で下車し、15番のバスに乗り換えるのが良いようです。

調査時点のバスルートのGoogle Mapリンクはこちらです。

参考:
Artisan SakeMaker