日本酒が海外でブームって本当?輸出量から検索数まで調べてみた!』ページで紹介した通り、現在日本酒は海外に輸出され、欧米でも楽しまれるようになってきています。しかし、輸出時には高い輸送量や関税もかかるため、現地のお米と現地のお水で日本酒を作ろうという動きも広まっています。

アメリカとカナダには、合わせて6つ前後の日本蔵があるのだそうです。

今回紹介するのは、その中でも最も評価が高いと言ってもいい、オレゴン州ポートランドに蔵を構える地酒MOMOKAWAです。

MOMOKAWAについて

オレゴンの雨には何かがある。その何かは、愛するものを生み出すためのクリエイティビティと情熱を刺激する。それはビールやワインだったり、お茶、ポテトチップス、スニッカーズ、そしてコミックブックだったりする。私たちの場合は、それがプレミアムな日本酒である「純米吟醸」だった。それは万能薬の一種であり、人々を笑顔にし、あなたの価値観すらも変えるもの。それが、日本の師匠から教わった伝統的な製法と、オレゴンの雨で手作りされた日本酒『MOMOKAWA』だ。

引用:Momokawa | The Revolution is on. | Saké One

MOMOKAWAのウェブサイトから、翻訳・引用させていただきました。英語らしく、劇的な紹介文ですね。

とにかく雨の多い街・ポートランドにて醸造されているMOMOKAWAは、しかしその良質な水のおかげで、北米でもとても質の高い日本酒を作る蔵として名を馳せています。

これも『日本酒が海外でブームって本当?輸出量から検索数まで調べてみた!』で紹介しましたが、サンフランシスコの日本酒専門店True SakeオーナーBeau Timkenさんは、深みの足りないアメリカ産日本酒の中でもMOMOKAWAを製造するSakéOneの日本酒のクオリティはNo.1だと言っています。

日本から離れたこの地で、産業も設備もない中でMOMOKAWAが誕生した秘訣は、SakéOneの熱いパッションと高いコミットメントに加え、日本の桃川酒造とのジョイントベンチャーという形の中で日本酒造りの技術が伝わったことが大きかったようです。

銘柄の中に『Organic(オーガニック)』というものがあったり、ウェブサイトに「ビーガンフレンドリー」「グルテンフリー」というワードが並ぶ点が、ポートランド発の地酒らしいと思います。ポートランドとバンクーバーは、北米西海岸の中でも特に健康志向や食への意識が高い土地なのです。

MOMOKAWAの銘柄リスト

最後にMOMOKAWAの全6銘柄を、3つに大別しながらご紹介します。

  • 純米吟醸酒
  • momokawa02

    MOMOKAWAのお酒はいずれも純米酒ですが、あえてにごり酒やオーガニック酒ではない普通のお酒を純米吟醸酒とここではラベリングさせていただきます。

    このシリーズの中にも3つあります。ドライでキレの良さが売りの『Silver』と、バランスの良さが売りの『Diamond』と、軽めで甘めが特徴の『Ruby』が、その3つです。

    名称は違いますが、いずれも価格は同じです。なんだかポケモンのバリエーションのようですね(笑)

    精米歩合はいずれも60%で、アルコールは14.8%です。

    レビューを見ていると、もともと日本酒が好きでなかったアメリカの方がDiamondを飲んで「趣向が変わった」とか、他の美味しいお酒は高い(アメリカでは)けれど、このDiamondは「コストパフォーマンスが良い」と言っているようです。

    あるいはRuby推しの人の意見としては、これが最も旨味を感じるのだとか。寿司やタイカレーと一緒にいただくことをおすすめされていました!試してみたいものです。

    価格:750㎖ / $14.00(約1,700円・2015年1月現在のレート)

  • 純米吟醸 原酒 にごり酒
  • momokawa03

    普通の純米吟醸3種と並んで人気があるのが、純米吟醸の原酒かつにごり酒の『Pearl』です。レビューの数も多い。

    こちらは実際に試してみましたが、まずりんごのような甘い立ち香がします。そして口に含むと、やはりにごり酒らしいクリーミーな飲み口と引っかかりなく喉を通る飲みやすさも特徴です。その飲みやすさは、もともと日本酒が苦手だという女性にも好評でした。

    また、レビューを読む限り、アメリカの方にとってはこれが初めてのにごり酒体験だったという場合も多いそうです。にごり酒のアメリカ地区普及にも貢献しています。

    精米歩合はやはり60%で、アルコール度数は原酒(水で割っていない)だけあって18%あります。 飲みやすいですが、飲み過ぎにはご注意!

    価格:750㎖ / $14.00(約1,700円・2015年1月現在のレート)

  • 純米吟醸 オーガニック
  • 最後はオーガニックシリーズの2本『Organic Junmai』と『Organic Nigori』です。

    USDAという、オーガニック製品の基準を満たした初めての日本酒が、MOMOKAWA Organic Junmaiだそうです。にごり酒とともに道を切り開いたお酒ですね。

    公式サイトの説明では、ちょっといつもと違ったテイストを試してみたいワイン愛好家におすすめとされています。

    他の製品と同じように、40%削り取った精米歩合60%のお米が使われており、『Organic Junmai』はアルコール度数14.5%で、『Organic Nigori』は度数16%です。

    価格:750㎖ / $15.00(約1,800円・2015年1月現在のレート)

参考:
Momokawa | The Revolution is on. | Saké One